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もの思いの譜

ここには私が撮影した写真を中心に詩やエッセイを書き込んでいます。

写真 山下公園 night  散文

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■写真  夜のあちら闇のこちら   山下公園 night

■散文    殺す体験

 暗い内容なので重いかもしれませんが、人にとって・とくに男性にとってはとて

も重要なことなので、たまたまここを開いてしまった方もどうか読んでください。

 私が子供のころは近隣に雑木林や田んぼや畑などがあり、そこが子供たちの遊び

場でもありました。それは周囲の樹木や昆虫などと自然にふれあえるとても素敵な

環境でした。

 あるとき私は一人で裏山を歩いていて、わりと大きな雑草の先端にとまっている

かまきりを見つけました。花に近づく昆虫を狙っていたのでしょうか。私はいたず

ら心で近くにあった棒きれで かまきりをつついてみました。ご存知のように か

まきりは闘争本能の強い昆虫なので、横からいたずらされた私に向かって かまを

ふりかざして威嚇してきます。しばらくはそうして遊んでいましたが、かまきりに

してみればエサの捕獲の邪魔をされたのですから怒るのはあたりまえです。でもち

ょうど生意気ざかりの13歳の私は、そのかまきりの反抗が しゃくにさわってたま

らなくなり棒切れで かまきりを叩き落してしまいました。

さらに地面に落ちた かまきりを靴で踏みつけて殺してしまいました。もだえなが

ら絶命した かまきりの下腹部から はりがね虫と呼ばれる細長い寄生虫が出てき

て、そのおぞましさに叫び声をあげた記憶があります。

 何の罪もない かまきりをただ しゃくにさわったというだけで残虐な方法で殺

してしまった、あのときの自分をとても怖いと思いました。あのときの映像は50年

たった今も生々しく再現されます。

 男性は12歳から20歳ぐらいまでの数年間 性的欲求と暴力性 という2つの強い

本能と、心の折り合いをつけなければならない時期があります。溢れ出そうとする

これら欲求をどううまく抑えながら社会人として生きていけるようになるかという、

とても繊細で難しい道を誰もが通ります。

 こんな男たちの問題をうまく処理してくれたのは雑木林にいた小さな昆虫たちだ

ったのかもしれません。遊びで虫たちを殺しながらも心のどこかに かわいそうな

ことをしてしまった 悪いことをしてしまった・・おそらくほとんどの人は少なか

らず胸を痛めたはずです。 胸を痛めた人も痛めなかった人も、このような弱いも

のたちと接した体験が、男の思春期という 繊細で難しい道を無事に通りぬけさせ

てくれたのかもしれないと思います。