もの思いの譜

ここには私が撮影した写真を中心に詩やエッセイを書き込んでいます。

写真 隅田川の桜   一行詩

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■写真   谷中墓地の昼桜/隅田川の夜桜

■一行詩   桜色のやわらかな真実 額縁の外をまさぐる

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写真  夜の椿   一行詩

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■写真   夜の椿

■一行詩   愛をなめあう夜の終わりにこすれあう火花ちる

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写真 歩道橋 エッセイ イメージを撮るということ

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■写真   夜のあちら闇のこちら  歩道橋

■説明   イメージを撮るということ

一般に写真を撮るときは、お!いいかんじ!という風景や人物などとの出会いがあ

りそこでシャッターを押す。ということだと思う。

私の場合も同じように風景や人物との出会いから始まるのだが、人物は直接出会う

ので 撮らせてもらえますか!とお願いするので問題はない。しかし風景の場合は

自分では見ることができないから誰かに見て説明してもらう必要がある。これにか

なりの日数を要する、へたすると1ヶ月はかかる。さらに見る人が問題である。世

の中には絵や写真を見ても何も感動しない人もいれば、おおすごい!と感動する人

もいるし、さらにその感動のしかたも人によってまるで違うから、まずそういう人

と一緒に風景を見るという環境づくりが必要になる。

私の場合は幸いにも周囲にそういう人(ちょっと変わった人)がわりと多くいたこ

とがよかった。

 それでもそういう人が常に一緒にいるわけでもないので、目的の被写体を見つけ

るまでにえらく時間がかかる、このごろではインターネットである程度の情報はわ

かるようになったので目的地の候補を選ぶことはやりやすくはなったが、それでも

そこに行くまでにはかなりの時間というより日数がかかる。

 このことは最初、見えないもどかしさとともにかなりのストレスになった。しか

しこのごろでは逆にイメージを構築する時間が自分には必要なのだということに気

がついた。見たものを撮るのではなく頭で考えたイメージを撮るのだということで

あり、それを固めるための時間が必要・これが私の撮りかたであるということに決

着した(あきらめたともいう)。

実際に撮った画像をパソコンに移して保存するが、そのままだと後で何だか確認が

できなくなるので、これまた誰かに見てもらい構図や色調や明るさなどをチェック

する必要があるのだが、やはりすぐにというわけにはいかないので場合によっては

1週間ほど待たされる。

フォルダ名は日付と場所・ファイル名に見た目の明るさや構図・色調などを書き込

んでおく。これでいつでも自分のイメージとして管理ができるようになる。

見てもらうとき、時々 おー!と声が出ることがある。そのときは私のイメージに

近いのだと思う。もちろんしょぼいものもあるが後で露出のデータが参考になるの

でたいていは保存している。

このように一般の方にくらべたら相当に時間がかかる。しかしこれしか私にはでき

ないし逆にこういう撮りかたから生まれてくるものの中に何かあるはずだと信じて

いくしかないと思う。

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写真:ピアニスト 散文:視覚障害者の見え方

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■写真    ピアニスト

■散文    視覚障害者の見え方

 "視覚障害になると目の前が真っ暗になるんですか?”・・こういう質問を時々

受けるから、やはり一般的にこういうふうに思っている人が多いのだと思う。

何より私もふつうに目が見えていたころは、やはり同じことを考えていた。

 しかし自分が視覚障害になったとき、そうではないことがわかった。

障害にもいろいろあるのでそれによっても違うと思うが、よく言われる まっくら

 というのはありえないと思う。それは光を感じていた人が目を閉じた瞬間に感じ

る相対的な感覚としてだけ存在するのではないだろうか。

見る/見た という感覚は眼球を通して網膜に映し出された像に対して記憶・知識・

情感などなどのデータベースからあるイメージをつくりそれと照合することで 彼

は山田さんだなとか バラの赤がきれいだなといった認識によって起きるそうであ

る。私のように中途で視覚障害になった者は目からの情報がなくても脳内のデータ

ベースがおおよそのイメージを作ってしまうため、実像とは違うかもしれないがそ

れに似たものを見ている感覚がある。また先天的な視覚障害の方々も手でふれたり

街を歩いたり音を聞いたり雰囲気を感じたりする中で対象のもののイメージを描い

ている。街を白杖を頼りに一人で歩くときそれを何度も続けていると立体的な街の

風景がイメージ化される。これができると白杖なしでも歩くことができるが現実に

は車があったり自転車がおいてあったりして危険は多い。

視覚障害者は まっくらな世界を見ている人だ・・などと思われてしまうと、いっ

たいどんな会話をすればいいのか困ってしまうと思う。または目が見えないのだか

ら テレビや映画や風景の話をしたらかわいそうだ・・というようなこともよく聞

く話であるし視覚障害者の中にも 自分は見えないからと見える話を嫌がる人もい

るのも現実。しかし実像は見えなくてもイメージを豊かにすることで、ものの形も

色も見ることができるようになり、それを求める人も多い。それはたとえば 赤い

花 ではなく 熱いような色の花とか暖かい、コーヒーのようなとか冷たい氷のよ

うなとか朝の空気のような・という表現を使って説明してもらえれば脳内により豊

かなイメージを形づくることができると思う。

写真 ピアニスト 散文 ピアノ録音記

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■写真   ピアニスト

■散文   ピアノ録音記

 最初は2010年5月に知り合いのピアニストからクラシックピアノ のCDを作り

たいという依頼で新宿のとある録音スタジオに同行したのがきっかけでした。そこ

は地価にある40畳ほどのスペースにスタインウエイと録音機材がおいてあり、2

時間レンタル+CD作成で4万円ぐらいだったかと思います。

 そのころは何の知識もなかったのですが今から思うと、マイクロホンはノイマン

U87でのハイクラスな録音でしたが、スタッフはまだ若い人でしたしおそらくク

ラシックピアノの録音の経験がなかったのでしょう。いま聞いてみるととてもクラ

シックピアノの音ではない録音でした。

 そんな体験から、自分でも気に入った音で録音できたらどんなにいいだろうかと

思うようになり、そこらあたりから音楽録音マニアへの道が始まったといえます。

一番の悩みはピアノスタジオ選びでした。本当ならホールのピアノで録音したいの

ですが費用が高すぎてだめ。たいていは練習スタジオを使うのですが、ともかくど

こにいっても音のいいピアノが少ないのでしばらくあちこちとピアノ難民を続けた

結果、2012年に今の江古田のスタジオにたどりつきました。

マイクロホンは血迷って何本か買いましたが・・結果ノイマンのKM-184と DPAの

4011の2セットに落ち着きました。ピアノは主に DPA4011を使っています。

PC用のサウンドデバイスもやはり血迷って何台か被災した結果今の RMEのUCXに落

ち着きました。

はじめての録音から5年・そのころと比べるととてもナチュラルな音になりピアノ

の音が気持ちよく聞こえてまずまず満足できる音になりました。

ちょっと古いものもあるのですが録音サンプルなどは以下のサイトにもあるので、

よろしければどうぞ聞きください。

服部よりこのピアノエッセンス

http://www.nishio-pc.sakura.ne.jp/piano/

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写真 夜の植物たち  +散文

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■写真   夜のあちら闇のこちら   夜の植物たち

■散文   背後霊

 私は30歳ぐらいのときに視覚障害になったこともあり、さらにもともと運動感覚

が鈍いこともあり他の視覚障害者と比べると白杖をついての一人歩きがやや苦手で

ある。自分では堂々と歩いているつもりでも周囲から見るとかなり危なっかしい歩

き方をしているようである。

いまから10年ほど前 北陸のある町に住んでいたころのことである。

春というにはまだうすら寒い3月ごろだったろうか・・とある夕暮れ時に近くのスー

パーに買い物に出かけた。近所といっても田舎のことなのでふつうに歩いても20分

ほどかかるし一番近いところがそこしかないので、小さなスーパーだったがいやも

おうもなく買い物はそこ限定であった。

 とりあえず買い物を終え買い物袋を片手にぶらぶらさせながら薄暗くなった(と

思う)道を例のごとく同道と歩いて帰途についた。田舎とはいえ一応は県庁所在地

の市内なので家はまばらではあるが道路沿いにぽつぽつと並んでいる。しかし夕方

なのにどこの家もひっそりとして話し声や子供の騒ぐ声やテレビの音などもまった

くしない、はたして人が住んでいるのか?と思えるほど静かである。道の反対側に

は用水路があり、そろそろ田んぼに水が入るためか、かなりの量の水が流れている。

ここらの水は北アルプスの湧き水なので透明度が高いしそのまま飲んでもいいぐら

いきれいだ。幅1.5mほどの用水路になみなみと水が流れているのだが勾配がゆ

るいためか流水の音もあまり聞こえない。

車もほとんど通らない静かなところなので自分の足音と買い物袋のがさがさ音だけ

だ響く。

 しばらく歩いていると背後から ひたひたとした足音が聞こえてきた。距離にす

ると10メートルほど後ろだろうか・・。その足音は私の歩く速度に合わせるよう

にぴったりとついてくるし、おまけに四つ角で私が立ち止まると足音も止まる。

これはもしかして背後霊か幽霊か妖怪化・・。でもそれが超こわい顔した幽霊でも

私には見えないのでちっとも怖くない。 それよりも後ろで足音がすると気になっ

てとても歩きにくいのである。

そのうち背後霊の足音に混じってがさがさと音がする・・たぶん買い物の帰りのお

ばちゃんが、たぶん私を心配して背後で見守ってくれているのか、私が怖いので追

い越すに越せないのか・・それにしても気になって歩きにくい・・。

何度目かの4つ角で私が立ち止まり背後霊もぴたっと止まった。

そのとき私は言った。 「すいませんが先に行ってもらえますか」

買い物袋をもったおばちゃんが 「あ!はい」といいながら私の横を通っていった。

※ ちなみにこういうときは黙って追い越していただくか、「途中まで一緒にいき

ましょうか」と声をかけていただくのが一番ありがたいです。

写真  夜のあちら闇のこちら  詩

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■写真   夜のあちら闇のこちら    冬の植物(上野公園)

■ 詩   それでもこいつら生きてやがる

    色彩がいくら花を咲かせようとも

    必ず歴史に食い荒らされる

    それでもこいつら生きてやがる

    うねうねと手をのばし

    見えないところをまさぐるみたいに

    こいつら不気味に生きてやがる

    俺やおまえの心の奥で

    勝手に動いているはらわたみたいに

    こいつら生きてやがるんだ